【081】 ア ー ケ ー ド 街

  歴史ある商店街だ。 けさも天井の明り取りから、 朝陽が射す。 10時には両側にならぶどの店も開店だ。 ふだん着姿の買い物客がやってくる。 いつもの同じ光景である。 

  歳月をさかのぼれば、 昭和50年代まで、 下町随一の商店街だとまでいわれた。 遠くから電車に乗って買物客がやって来た。 日曜日の夕方ともなると、 買い物客が多く、 満足に歩けなかったくらいだ。 

  いつしか大型スーパーの影響から、 遠方からの客が少なくなった。 商圏が縮んでしまったのだ。 それでも、 徒歩や自転車の客はここを贔屓にしてくれる。 だから、 老舗もがんばっている。 時代の流れだとは、 決してあきらめていない。 
 

  共存共栄を誓い合った仲間の店舗が、 先月も跡継ぎ問題を抱え、 他に売り渡した。 店内の内装工事が入っている。 店の看板がきょう変った。 

  ただ、 アーケード街はシャッター店舗が一軒もないのが救いだ。 創意工夫で、 つねに活性化しているのだ。 
  歩道のインターロックは折に付けて張り替えている。 天井の演出は四季折々の造花が飾られる。 いまの季節ならば、 真っ赤な紅葉だ。 
 

  イベントは派手なものをおこなう。 9月にはサンパのカーニバルを実施し、 パレードなども実施している。 それらはこれからの歴史作りなのだ。 
 

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